ひよこがオスかメスかどうか調べる仕事って儲かるの? 調べてみた

ひよこがオスかメスかどうか調べる仕事って儲かるの? 調べてみた

可愛らしいひよこを無表情で分別する仕事光景、そして給料が良いと噂で、何かと話題になったりネタにされることが多い【ひよこがオスかメスかをどうか調べる仕事】。

本当に儲かるのかどうか調べてみました。

初生ひな鑑別師の給料は日本では普通だが、海外では儲かる

お金にまみれた、王冠をかぶった猫

【ひよこがオスかメスかをどうか調べる仕事】の人のことを正式名称で【初生ひな鑑別師】といいます。

初生ひな鑑別師はひよこの性別を1羽鑑定するごとに最低でも4円ほど貰えるといわれており、ベテランの初生ひな鑑別師となれば1時間に1000羽鑑定できるそうなので、単純に時給計算で1時間4000円とかなり高額な報酬を貰えます。

都市伝説などでは初生ひな鑑別師は弁護士以上の給料を貰えると噂されることもありますが、実際に昔の日本ではその噂が本当と言えるぐらいの給料は貰えていたそうです。

しかし現在の日本では養鶏場自体がどんどん減ってきており、さらに一部のひよこの性別鑑定は遺伝子交配を工夫することで可能となったため、初生ひな鑑別師の仕事は減ってきています。

そして初生ひな鑑別師は自分から営業をかけるにしても、仕事内容が孵化場の都合にスケジュールが左右されるのでそれも難しく、現在の初生ひな鑑別師の給料は一般的な社会人と同じぐらいと言えるでしょう。

ですが、それが海外……とくに畜産が盛んな国となると話は変わってきます。

そもそも海外の人は手が大きすぎて、ひよこの鑑別がしづらいそうです。

人によって差異はありますが一般的な日本人の手の大きさぐらいがひよこの鑑別にちょうど良いとされ、さらに日本人は真面目で手先が器用な性質のため、日本人の初生ひな鑑別師は海外の孵化場から非常に重宝されています。

そのため「初生ひな鑑別師」=「海外で働く」と認識するのが普通だそうです。

でも、初生ひな鑑別師になるのは非常に狭き門

たくさんの絵馬

給料が高い初生ひな鑑別師ですが、そもそも初生ひな鑑別師になるには資格が必要です。

まず日本では名古屋にある養成所に入る必要がるのですが、その条件がまぁまぁ厳しいです。

①満25歳以下で、高等学校卒業者またはこれと同等以上の資格がある人

②身体が健康で、視力1.0以上(矯正もOK)の人

視力に関してはコンタクトや眼鏡でも大丈夫なのでほとんど問題ないとして、でも25歳以下で「初生ひな鑑別師」になろうと人生を決める人は少ないと思います。

また養成所での訓練も厳しく、

①半年ほどの講習受講

②従弟制度に近い環境での2年間ほどの実習訓練

を経たのち、鑑別率99%以上で36分以内に400羽のひよこを見分けるという難しい試験に合格しないといけません。

毎年10~15人ほど養成所に入学して合格するのは2~3人らしいので、合格率は多く見ても20%ほどでしょうか。

そもそも、ひよこの性別鑑定が非常に難しい

一羽のニワトリとたくさんのひよこ

なぜ初生ひな鑑別師に厳しい資格が求められているかというと、そもそもひよこの性別鑑定が非常に難しく、かつ養鶏における重要性が非常に高いからです。

ひよこは成長すると当然ながらニワトリになるのですが、ニワトリがメスなら卵を産むように育て、ニワトリがオスなら鶏肉として売るために肥育する必要があります。

そのためひよこの段階から性別ごとに飼育法を変える必要があり、養鶏する上でひよこの性別判定は非常に重要なファクターとなります。

しかし、ひよこの性別鑑定は非常に難しいです。

最近では遺伝子交配により羽毛の長さや色で見分ける方法もでてきましたが、それは一部の品種のひよこ限定のため、まだまだ初生ひな鑑別師の必要性は高いです。

初生ひな鑑別師は、ひよこの肛門をわずかに開き、その中にある性器の形をみて性別を鑑定します。

【肛門鑑別法】というのですが、一般の人ではオスもメスも一緒に見えます。

ベテランの初生ひな鑑別師はその僅かな違いを何通りも記憶し、パターン化し、自分の経験と照らし合わせて一瞬でひよこの性別を判断しています。

そのパターンがあまりにも多く、難しいことから、ひよこの性別鑑定はチェスや将棋に喩えられることもあるほどです。

まとめ

そんなわけで今回は【ひよこがオスかメスかをどうか調べる仕事】=【初生ひな鑑別師】が儲かるかどうか調べてみました。

結論をいえば、「海外では凄く儲かるけど、初生ひな鑑別師になるのは大変だし、仕事内容も難しいよ」です。

ひよこ好きの人や将来は海外で働きたいと思ってる人は向いている職業だと思うので、目指してみるのもいいかもしれませんね。